香ばしく、海の香りを放つ「イカ焼き」は、今も昔も屋台料理の人気メニューのうちのひとつです。
価格もそれほど高くなく、焼き上げにかかる時間もそれほど長くはないため、イベント会場や祭り会場の多くで、このイカ焼きが販売されています。
ここではこの「イカ焼き」について取り上げ、解説していきます。
屋台のイカ焼きとイカの姿焼きの違い
「イカ焼きが大のお気に入り」という人は多いかと思われますが、実は関西とそれ以外の地域では、「イカ焼き」そのものに大きな違いがあるのをご存知でしょうか。
関西以外では「イカ焼き」というと、イカそのものを焼き上げたものをイメージします。
三角形の耳と、細長い胴体があって、そこに串などが刺されていて……というイメージです。
しかし関西の場合、「イカ焼き」というと、「粉物の料理」を指します。
切ったイカを、小麦粉などの材料と混ぜて焼き、鉄板にぎゅうぎゅう押し付けて焼きます。
そののちそれを切って出すものであるため、ほかの「イカ焼き」とは大きく違います。
ビールに非常によく合うおいしい料理ですが、一般的なイカ焼きとは、材料も姿もまったく違うわけです。
なお関西以外で「イカ焼き」と呼ばれているものは、大阪では特に「イカの姿焼き」と呼ばれています。
ただ複雑なことに、この「イカの姿焼き」にも複数の意味があります。
たとえば、イカをそのままぎゅうぎゅうと鉄板におしつけて焼いたせんべい状のひらべったいイカもまた、「イカの姿焼き」と呼ばれます。
このように、同じ料理名であっても、出来上がるものはまったく異なります。
ただ今回は、関西で「イカの姿焼き」と呼ばれているものを、「イカ焼き」として紹介していくことにします。
屋台で使われるイカの種類とその特徴
イカ焼きは、イカを焼いて楽しむという非常にシンプルな料理です。その分イカの種類によっておいしさが左右される料理でもあります。
では、イカ焼きに合うイカの種類はどのようなものなのでしょうか。
イカ焼きのイカの種類のなかでもっともメジャーなのは、やはり「スルメイカ」です。
日本全国、北海道から沖縄の屋台まで、幅広く見られるイカ焼きのイカであり、非常に高い人気を持っています。
身の厚みはそれほどありませんが、逆にこれも「かみ切りやすい」という長所になっています。
柔らかい「ヤリイカ」も、イカ焼きのイカとして人気の高いものです。
刺身などにもよく使われるヤリイカは、身が柔らかく食べやすいだけではなくしっとりとした甘みもあります。
そしてこの食感と甘みは、イカ焼きにしたあとでも消えることはありません。
ただヤリイカよりも値段が高く設定されていることが多く、「イカ焼きで食べるのは少しもったいない」と感じる人もいるかもしれません。
番外編として、ホタルイカも紹介しておきましょう。
ホタルイカはスルメイカやヤリイカに比べてずっとずっと小さいサイズのイカであり、ホタルイカ1匹ではイカ焼きとして楽しむことは難しいでしょう。
しかしホタルイカをいくつか(3個ほど)を串にして焼いたり、熨斗焼にして焼いたりするやり方はあります。
ただホタルイカのイカ焼きを屋台で取り扱っているところはほぼありません。
そのためこれを食べようと思えば、自宅で作るか、もしくはホタルイカのイカ焼きを扱っているお店に連絡して通販などで取り寄せるようにするのが現実的です。
家庭でイカ焼きを楽しむ方法
「イカ焼きを家で楽しみたい!」「自宅で屋台のイカ焼きを再現したい!」という人も多いのではないでしょうか。
そのような方に、ここでは簡単にイカ焼きのレシピを紹介しておきます。
スルメイカ1パイに対して、
・しょうゆ
・みりん
・酒
・酢
を、それぞれ大匙2分の1ずつ用意します。
下処理をしたスルメイカを調味だれにつけこみ、調味だれがなくなるまでフライパンで煮込んでいきます。あとはこの調味だれがなくなれば、イカ焼きの完成です!
なおお好みで、しょうがを少し加えたり、マヨネーズやトウガラシをつけたりしてもおいしく食べることができます。
家で作る料理であるため、自分好みにカスタマイズができるので、それぞれの好みに合わせたイカ焼きを作ってみてくださいね。
上では、「イカを鉄板にぎゅうぎゅうにおしつけて、焼いたものも『イカの姿焼き』と呼ぶことがある」としました(これ以降はこれを「いかの姿焼き」とします)。
いかの姿焼きは、せんべい屋や海鮮系の素材を扱うお店がよく扱っているもので、イカの持つ海の風味をしっかり味わえるのが特徴です。
一般的に甘辛い味付けがされているものが多く、小さなお子さんからお酒を飲む人にまで幅広く楽しむことができるものです。
弊社でもいかの姿焼きを取り扱っています。ぜひ試してみてくださいね!▶
https://www.ebisen.com/i/i-014
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鍋谷萌子
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